土地の選び方>土地購入者は不利な立場なのか
土地購入者は、そのスタート時点から不利な立場であると言われています。では、その理由を考えてみることにしましょう。理由を考えていくことにより、どのように行動すれば、少しでも有利な立場に立つことができるかも見えてくるかもしれません。
日本という国は、国土が狭い上、人口が多い国です。したがって、土地は慢性的に供給不足であると言われています。しかし良い土地についての需要は相変わらず多く、人々はレントシーキングに奔走しています(レントとは、求めても手に入らない、限られた財の代名詞です)。そうであるにも関わらず、特に都市部では、どんどん住宅の敷地面積は狭くなっていく傾向にあります。土地というのは、手に入れたくても手に入りにくく、人工的に生産することができず、故に供給量を増やすことができない資産なのです。
常に需要過多であるものということで、土地は特殊な商品であると言えるでしょう。スーパーなどで売られている商品のような価格設定はできないのです。欲しい人が多いという時点で、供給者有利の状況であると言えます。
土地の供給者は、なかなか情報を公開せず、高い金額で買ってくれる人を探す立場にあります。なぜなら、他の商品と違い、需要者が圧倒的に多いですから、わざわざ時間と手間をかけてまで、情報を公開しなくても買い手がつくからです。つまり、買い手の意見を全面的に受け入れるという受動的な立場に立たず、売り手側で情報をまとめあげ、能動的な立場でいても購入の可能性の高い買い手に対してのみ仲介するということが可能なのです。人工的に量産することができる財を取り扱う業者とは、根本的にマーケティングの方法が異なるのです。
人工的に量産することができる財とは、供給がたくさんあり、買い手に選択の余地があります。代替品も多く、種類も豊富なため、供給者サイドで趣向をこらしたマーケティングが必要となります。たくさんの製品を販売するためには、買い手の意見を聞き入れ、多くの買い手が欲しがるような製品を製造・販売する必要があります。
一方、人工的に量産することができない土地は、代替地も少なく、限られています。テレビのCMで土地の販売に関するものがないのは、需要過多である証拠なのかも知れませんね。上記のようなマーケティングが必要ないということが、このことから分かると思います。
仲介業者は、良い買い手を選ぶことができる立場にあるとも言えるかもしれません。土地仲介業者に出向き、土地を探すことを依頼したのにも関わらず、なかなか連絡が来ないという現象が起こるのも、このような理由からなのかも知れません。
このように、土地の市場というのは、その数の少なさから、圧倒的に売り手が有利な市場になってしまっています。多くの人が欲しがる「良い土地」というのは、売り手にとって多くの利益を得るチャンスです。「良い土地」は、建築条件付き土地であったり、売り手の利益になるような建物を建てた上で販売したりすることが多いです。
買い手が「良い土地」を手に入れるためには、土地そのもののみを求めていては、上記のような理由から、難しいと言わざるを得ません。良い土地を手に入れるためには、中古物件付きの「良い土地」を建物ごと買い取り、建物を解体するなどといった方法を模索すべきかもしれません。
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