土地の選び方>路線価
ここでは、土地の価格はどのように決められているのかについて説明したいと思います。実は、土地の価格というのは、路線価だけで決まるのではなく、様々な決定者が付ける様々な価格を総合的に勘案して付けられています。路線価だけについて詳しくなれば、土地の価格について詳しくなれるというわけではありませんが、路線価は聞き慣れない用語だと思いますので、ここで解説したいと思います。
路線価は、毎年7月に国税庁が公表する土地評価額のことです。路線価における「路線」とは、不特定多数が通行する道路のことを指し、その路線に面する1平方メートルあたりの価格が路線価という事になります。言い換えれば、路線価は土地の価格ではなく、道路の価格と考えることもできます。例えば2010年の東京23区の1平方メートルあたりの路線価は2320万円となっています。その道路に面する100平方メートルの土地は、23億2000万円ということですね。
路線価の出所が国税庁であることからも推測できるように、路線価は売買のための価格ではなく、贈与税や相続税を算出するための価格です。路線価が公表されるのは毎年7月ですが、基準日(評価する日)は毎年1月1日です。路線価の基となる価格は、公示価格や実勢価格です。
ここで、公示価格と実勢価格という耳慣れない言葉が出てきましたので、それらについて解説していきたいと思います。
公示価格は国土庁が決定する価格で、様々な土地評価額の基礎となる価格です。公示価格を基準に、実勢価格や路線価が決められています。公示価格はインターネット上でも公開されていますし、各地の市町村の役所や役場でも入手することができます。概念的な価格なので拘束力はありませんが、地価についてイメージする上で参考になるものと思われますので、土地の売買を検討される場合は入手しておくことをお勧め致します。
実勢価格は、公示価格を基に、その土地の大家さんや不動産鑑定士などが決定する価格で、実際に売買に用いられる価格です。不動産業者が販売する土地の価格は、この実勢価格です。法律では、実勢価格は公示価格を基準(指標)として取引しなければならないとされているのですが、実勢価格は公示価格からかけ離れた数値になることも少なくありません。人気が集中する都市部では、公示価格の何倍もの実勢価格となることも珍しくありませんし、地方では公示価格の数分の一程度の実勢価格で取り引きされていることもあります。このような乖離の理由は様々ですが、法律で拘束することが難しいことも事実です。購入を予定している土地の実勢価格について詳しく調べたい場合は、不動産鑑定士に相談されることをお勧め致します。
このように、土地の価格というものは、たくさんの種類が存在します。一つ一つの価格に意味があるのですが、売買をする上で一番重要となるのは、それぞれの価格がいくらであるかではなく、希望する土地を希望する価格で売買するための情報を集めるということです。したがって、それぞれの価格に振り回されることなく、冷静な対応をして欲しいと思います。
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